PEOPLE
未来をつくる人

左官 PLASTERER
大胆にして繊細。新しいものを造り、古いものを守る。
株式会社菅野左官店/大久保剛( 31歳 )/左官
大工だった祖父の背中を追いかけて、工業高校の建築科へ。しかし、大久保さんが就職活動を始めた時、大工という職の求人は圧倒的に少なく、半ば“第2候補”的に選んだのが今の会社だったそうだ。
「左官=壁を塗る、というイメージしかなくて、それでも何だか惹かれるものがあって入った会社でした。実際には、壁だけじゃなく天井も床も対象だし、手法も素材も膨大で、“左官仕事ってこんなに奥が深いのか!”と驚くことばかりでした。入って3年は、見習い期間。たくさんの現場を経験しながら、一人前の左官職人として働けるだけの技術や知識を実践で教えてもらった貴重な3年間でした。その間は給料は少し安いけど、後の数年でリカバーできるだけのものを与えてもらったと思います。左官の仕事には、大胆さと繊細さ、両方が必要で、そのための道具も、30種類以上。それを少しずつ買い揃えながら、自分の手になじませていく。いろんな面で根気がいる仕事だけれど、その分、楽しさややりがいもひとしおです」。

現代ではむしろ、マンションや病院、工場などの新築工事での施工が多いのが左官の仕事。「現代建築の中で、左官仕事は脈々と生きています。でも、それと同時に、僕は伝統的なものを守ることにも力を入れていきたい。東日本大震災で被災した古い建築物の改修工事などを手掛けるうちに、やはりこういった伝統的な技術を絶やしてはいけない、と思ったんです。新しいものを生み出すと同時に、いざという時に、古き良きものを守れる力。それを培っていきたいな、と」(2017年取材)。
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