中国浙江省出身の店主が、16年前にオープンした本格中華料理の店。浙江省は、中国国内でも料理文化の盛んな地域で、一般に「浙江料理」とも呼ばれている。さらにその中で、大きな都市の名を冠した杭州料理、紹興料理など4種の主要な料理が存在し、広く食べられているのだ。そうした背景がありつつも、朱華飯店の店主・朱関平さんは、ここ仙台で気軽に浙江料理を味わってもらおうと、リーズナブルかつボリューム満点なメニューを出している。

ことに人気となっているのが、杭州の伝統料理であるトンポーローで、常連客が絶賛する一品。日本風にいうと豚の角煮に近いこの料理は、豚のバラ肉の塊を茹でてから油で揚げ、厚切りしたのち、醤油、紹興酒、八角、山椒などを合わせた汁で、とろりとやわらかくなるまで煮るのが特徴だ。醤油の旨みと八角などの爽やかな香りがバラ肉とバランスよく調和していて、白いご飯との相性も抜群だ。このほか、大ぶりでジューシーな餃子、絶妙な火加減で炒めたチャーハンなど、朱さんの匠の技が生きた本格中華料理がたっぷりと味わえる（2019年取材）。