PEOPLE 未来をつくる人

REBAR WORKER

家族のために、自分のために、鉄の重さを肩に背負う。

株式会社サンエーテック/金澤基行( 30歳 )/鉄筋

日焼けした身体には無駄な肉も飾りだけの肉もなく、備わっているのは働く男に必要な筋肉とバネのみ。不思議なスタイリッシュさを漂わせる金澤さんですが、「前職は、アパレル関連の仕事をしてました」という言葉に、驚きと納得の両方を感じたのでした。「結婚して、子供ができて、ふたりめの子供が生まれたときに、 “この子たちのために、父親らしいことをたくさんしてやりたい”と思ったんです」。

アパレル時代は、土・日曜に休めないのはもちろんのこと、休日出勤や深夜までの残業もたびたびでした。一緒に遊ぶことさえままならない日々に、金澤さんは転職を決意します。

「鉄筋工という仕事を選んだのは、勤務時間と収入の面からです。この仕事は基本、朝8時から夕方5時までできっちり終わります。だから、子供と一緒に朝ごはんや夕ごはんが食べられて、子育てや家事に参加してもまだ夫婦の時間や自分の時間が持てる。休みもきっちり取れますしね。収入に関しては、それこそこれから子供にたっぷりお金がかかる時期が必ず来るわけですから、しっかり貯金できるくらいもらわないと。鉄筋の仕事は、1tあたり幾らで換算されるんです。重たい思いをすればするほど、お金になって返ってくる。そのシンプルさが気持ちいいですよ。今ですか? この夏に3人目の子が生まれたので、もう少し頑張らないといけないですかね(笑)」。

転職から5年。奥さまと、3人の男の子との生活をしっかりと支えながら、仕事を楽しむこと、熟練を増すことも忘れてはいません。「転職したばかりの頃は、暑さ寒さや鉄の重さと闘う日々でした。また、現場や描く人によって図面にもクセがあり、それを正確に読み取って施工できるようになるまでには結構時間が掛かりましたね。そんな入社して2年目のある日、ふとニュースを見ていたら入学式の様子がレポートされていたんです。それは、東日本大震災で全壊した陸前高田の高校で、自分が新築工事に携わった学校でした。それを見て、本当に嬉しかった。“自分は、人の役に立つ、後世に残るものを作っているんだ”って。子供が大きくなったら、自分がつくった建物を見せて、この気持ちを伝えたいですね」(2017年取材)。

この記事の関連企業
株式会社サンエーテック

所在地/宮城県黒川郡大衡村大衡字尾西105-1
連絡先/TEL.022-345-8450 FAX.022-345-8451
URL/https://www.3a-tec.co.jp

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