『かもめ食堂』というちょっとおしゃれな映画があったが、「そらまめ食堂」も字面がなんとなく似ており、それ系の店かと思いきやさにあらず。れっきとしたガテン系も満足できるボリューミーな定食がラインナップされた店なのである。

住宅地の一角にひっそり佇む小さな食堂でランチの中心となるのは、日替わりで登場する10種前後の定食。取材時は、豚バラ塩麹、塩サバ、野菜炒め、カレイの唐揚げ、鯛の唐揚げなど、バラエティに富んだ内容。値段はすべて710円（税込）でありつつ、ご飯はテンコ盛り（並盛りも大盛りも料金が同じ！）、さらにおかずもいっぱいとありがたいフルスペックな食堂。日替わり定食のほか、豚しょうが焼定食、ハンバーグ定食、焼肉定食といった定番のメニューもきちんと用意されている。

ランチに使う食材は、創業当時から基本的には地ものを使っていて、テンコ盛りのご飯も、もちろん庄内米。店主の石黒英子さんはじめ、地元のお母さんたちによる手づくりのやさしい味わいの食事は、午後のハードワークへ向かう仕事人にとってもうれしい限りである（2019年取材）。