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未来をつくる人

現場にノートPCを持ち込み、オートCADで必要部材を算出。

有限会社富士工務店
金持 健太郎(39歳)

未来をつくる人 2021.01.18

専門学校を卒業した後、千葉県で土木の仕事に携わっていた金持健太郎さん。長男ということもあり、10年前に秋田にUターン。その際、自分の経験を生かした仕事ができればと選んだのが「型枠大工」だった。「前職では土木という立場から、建設現場のさまざまな仕事を見させてもらった。その中で自分に合っているのが型枠大工のような気がして」今の仕事に就いた。
コンクリートの形に合わせて、変幻自在に型を作る型枠大工は、ある意味「1つとして同じ仕事がない」職種でもある。経験は糧となるものの、どのように型を作るかは1回1回が勝負。「そこがおもしろい」と金持さんには映った。また、躯体のできあがりにこだわり、時間をかければかけただけいいものが仕上がるだろうが、仕事には当然コストがある。そこを計算しながら、案配のよい時間だけ作業を行い、ピタリと計算通りに完成し利益が出る、そういう「収まりのよい仕事」を自分の力でできるのも、金持さんには魅力に感じられた。



無駄なく仕事を進めていくために、金持さんは現場にノートPCを持ち込み、オートCADや正確な型枠数量把握のための「型枠積算システム」も取り入れ、複雑な計算を簡易にできるように工夫している。「ベテランの職人でも、図面を見て必要な数量を計算するのはそれなりに時間がかかります。だったら、こうしたソフトを使うことで時間短縮になり、なおかつ間違いがないのならそれに越したことはない」と金持さん。ただ、こうしたソフトが全てではなく、最終的な調整はやはり人の手を借りなければならないそうだ。バランスよくツールを使い、どう合理化し仕事を進めてくか、そこを考えるのも、金持さんにとっては仕事の一環なのかもしれない。

若い人が入社しても、長く続かずに辞めていく場合がある。「それなりに仕事ができるようになるまでは3年から5年はかかる。峠を越えれば、自分の工夫で仕事が楽しくなる場合もあります。もう少しがんばって今の苦労を乗り越えれば」と感じることもあるそう。どんな仕事であれ、自らの工夫によって身についた技術は、その後も錆びることなく生き続けていく。

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所在地/秋田県秋田市仁井田字中谷地53-1
連絡先/TEL 018-839-5012

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