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PEOPLE

未来をつくる人

同級生と共に23年鳶ひと筋、秋田への地元貢献が誇りに。

向井建設株式会社 秋田営業所
菊地 一生(40歳)

未来をつくる人 2021.01.18

今から23年前、17歳の時に向井建設に入社し、以来、鳶職ひと筋で仕事をしてきた菊地一生さん。現在40歳。その風貌には落ち着きと共に、優しさ、仕事へのひたむきさ、そして厳しさが垣間見える。「17歳って遊びたい盛りじゃないですか。その頃、私の同級生に向井建設社員がいた。私は飲食店でアルバイトをしていて、同級生の羽振りのよさがうらやましくて」と、笑いながら入社動機を話す菊地さん。遊びたい、しかしお金がなかった青春時代に建設業界に飛び込んだ菊地さんだったが、鳶はそんなに簡単な仕事ではなかった。



20歳の時にいきなり職長を任された。「驚きました。当時の上司がそういう人だったんですよね。とにかく現場を張れと。張らないとわからない、そういう考えの人でした」。朝早くきて、足場を組んでという力仕事であれば、若い時はどんどん覚えていく。覚えられないのは、部材や職人の手配などの段取りだ。「人がいても部材がなければ仕事は進まないし、その逆もしかり。毎日毎日、建物の進捗具合を見ながら、そうした手配の調整かけながら進めなくてはいけない。大きい建物になればなるほど、関わる職人の数や部材も増えていくから大変ですよ」。職長を任された最初の頃は、夜もろくに寝られなかった。現場が終わってから自宅に帰り、翌日の仕事のことをあれこれ考えていると、あっという間に夜中に、そんな日々が続いた。「同級生が3人いるんですけど、今もみんな向井建設でがんばっている。戦友みたいな感じですかね。お互い大きな現場で職長をやっていたりすると、職人を融通し合ったりとか、助けられることも多い」と菊地さん。

秋田で生まれ育った菊地さんにとって秋田県立美術館の建設に携わったことは、今も大きな誇りだ。「世界の安藤忠雄の設計。あの仕事に携わることができたのは、大きな喜びでした。長くこの仕事を続けてよかったなと思っています」。小学生の子供が2人いるという菊地さんは、美術館の近くを通る時「お父さんが建てたんだぞ」と子供たちに言えることが、楽しくもありうれしくもあるようだ。何十年、何百年、後世に残る建物を作ることは、そのまま未来へとつながっている。建設業ならではの醍醐味であろう。

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向井建設株式会社 秋田営業所

所在地/秋田県秋田市大町5-4-57
連絡先/TEL018-865-2316
https://mux-hp.jp

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