もともと中華料理の店であったが、メニューには洋食も多い。「お客さんの“食べたい”っていうのを聞いて作っていたらこうなった」と笑顔で話すのは2代目店主の松橋一広さん。「ドライブイン多賀台」は約40年前、松橋さんの父が始めた店だ。どのメニューにも共通するのは「盛り」の良さである。これもまた、店主は特に意識しているわけではなく、お客さんの喜ぶ姿を見たいと思い、なんとなく盛りがよくなっていったという。

カツカレーのカツは、ひと皿におさまりきらないからか、ライスとカツカレーが別皿で登場する。隠し味にラーメンスープをしのばせ、やわらかな黄色を帯びたカレーのなんとも懐かしい味わいに魅了されること必至のひと皿である。このほか、あんがたっぷりかけられた五目焼きそば、そしてサイドメニューとして王座に君臨する唐揚げなども、多賀台の定番メニューだ。2018年にJ3リーグ昇格をしたプロサッカーチーム・ヴァンラーレ八戸の選手もよく来店するという多賀台は、期待を裏切らない、味よしボリュームよしのドライブインである（2019年取材）。