山形県天童市を走る国道13号沿いにある中華料理店。大きく「林商」と書かれた看板が玄関上に掲げられている。入るとまずはテーブル席と奥へ続く調理場、そして右側にはゆったりとした座敷席。中国人の女将に訊ねると「ランチ時はいつもいっぱいになる」とのこと。写真付きのメニューを見れば一目瞭然だが、この店はいずれの品もボリュームがあり、なおかつ安い。人気があるという五目あんかけ焼きそばと麻婆丼を注文。待つこと10分ほどで到着したメニューは、いずれとも麺もご飯も通常の倍はあろうかという盛りである。そこに、焼きそばには餡がたっぷり、麻婆丼には麻婆がたっぷりという状態。

辛味と旨味の効いた麻婆丼は、680円という価格が信じられないほど。山椒が効いていて、ご飯との相性もよく、食べ飽きすることなく最後まで味わえる。

また、麺メニューで一、二の人気があるという五目あんかけ焼きそばも、麺の量が多いながら、それに負けじと餡の量も多く、ある意味バランス的にはまったく問題なし。コクのあるややしょっぱめの餡は、麺のおかずとしては最良のパートナーである。近所では半チャーハンでも普通の中華屋さんの一人前はあるともっぱらの評判だが、そうした噂も「さもありなん」と納得のボリュームだ。各種麺メニューと半チャーハンのセット、各種丼とラーメンのセットなど、ちょっぴりデンジャラスなメニューも、午後の仕事に差し支えなければ、ぜひチャレンジしてみたい一品である（2019年取材）。