COLUMN 職人の胃袋を支えるガテン飯
クレーン重機/辻聖也さんのオススメ!!

復興進む商業地区の中心で、人気を集める担々麺専門店

中華食堂 熊谷

東日本大震災で中心部が大きな被害を受けた陸前高田では、商業地区も新たに一から整備された。陸前高田市の馬場前にオープンした「中華食堂 熊谷」は、陸前高田で1947年に創業した中華食堂。現在の主人・熊谷成樹さんで3代目となる。

震災前は陸前高田の駅前で幅広いメニューを提供する食堂として営業していた。震災で何もかもが流され、ようやく2年前、仮設店舗からこの地への移転オープンを果たした。その際にメニューも一新した。新たな商業地域では、いくつもの飲食店が周辺に並ぶ。「熊谷ならではのメニューがないと、難しいのではないか」熊谷さんはそう考えた。担々麺(白)は、粘度高めの濃厚な白ゴマベース、担々麺(黒)は、後味すっきりの黒ゴマベースで、スープの色が個性的なだけでなく、香ばしさコクなど、それぞれに異なる。また、白、黒ともに、山椒を強くしたスパイシーバージョンが用意されていて、常連客も飽きずに食べに来られるよう工夫。

その甲斐あって15時の閉店時間まで客が引かない繁盛ぶり。今や、三陸屈指の人気ラーメン店に。担々麺と一緒に味わいたいのが、辛めの香味ダレで味わう水餃子だ。もちもちの皮の食感とパンチの効いたタレがインパクト大な一品。個性的な中華の極上メニューは、復興現場を支える多くの職人たちにも支持されている(2020年取材)。

この記事で紹介したお店
中華食堂 熊谷

所在地/岩手県陸前高田市高田町馬場前73